建売住宅は注文住宅に比べて、購入費用を抑えられることが特徴です。安いことは、魅力でもありますが、なぜ安く建てられるのかと疑問ではないでしょうか。この記事では、建売住宅が安い理由について紹介していきます。建売住宅を検討されている方は、ぜひ最後までお読みください。
建売住宅が安いのはなぜ?
建売住宅が安いのは、様々な理由がありますが、代表的な理由として、人件費を削減できることが挙げられます。ここでは、なぜ人件費が削減できるかを紹介していきます。
プランが規格化されており設計が早い
建売住宅はプラン(間取りや住宅設備の仕様)が規格化されていることがほとんどです。注文住宅の場合、施主の希望や建築敷地の法規制により、何度もプランの変更を行います。そのため、プランニングに何か月もの時間を要し、設計士等の人件費がかさみます。
一方、建売住宅は、プランが規格化されているので、プランニングの期間を抑えられ、人件費を削減できるのです。
工期を短縮できる
建築工事が始まってから建物が完成するまでの期間は、注文住宅と建売住宅で異なります。一般的に注文住宅の方が、建築工期は長く、4〜6か月の期間を要します。一方、建売住宅は2.5〜4か月で工事が終わります。建売住宅は工期が短い分、現場管理費を抑えられ、建築費用も安くできるのです。
現場管理費を削減できる
注文住宅の場合、施主の希望によって、採用する設備は多種多様です。時には、建築会社が慣れていない施工をすることもあり、その際は現場管理費が割高になります。一方、建売住宅は規格化された間取りや住宅設備の中で建築し、慣れた施工で工事をするため、現場管理費を抑えられるのです。
スケールメリットで安くなるケース
建売住宅は、スケールメリットで価格を抑えられることも特徴です。スケールメリットとは、同じものを多く生産することで費用を安くできることをいいます。ここでは、建売住宅になぜスケールメリットが使えるのか紹介していきます。
建築資材を大量生産、大量仕入れできる
建売住宅は、プランが規格されているため、同じ住宅資材の大量生産、大量仕入れを行います。そのため、スケールメリットが働き、価格を抑えられるのです。
建築用地を大量仕入れできる
販売されている建売住宅の広告を見ると、隣りあった土地で同じような建売住宅が販売されていることがあります。これは、建売住宅を販売している業者が大きな建売用地を仕入れ、複数区画に分けて販売をしているからです。
大きな土地を購入する場合、相場より土地を安く購入できます。このように、建売住宅は建築用地を大量に仕入れることにより、1区画あたりの土地の費用を抑えているのです。
建売が安いのにはほかにも理由がある
建売住宅は人件費やスケールメリットによって価格を抑えることで、安く提供できると紹介してきました。ここでは、紹介してきた理由以外で、建売住宅が安く提供できるワケについて解説していきます。
住宅展示場がなく固定費を削減できる
注文住宅をメインに提供しているハウスメーカーは住宅展示場を展開しています。住宅展示場を複数店、展開していると建築費や出店費などの固定費がかかります。一方、建売住宅をメインにしている場合、実物の住宅を見てもらうことができます。
そのため、住宅展示場を構える必要がなく、固定費を削減できるのです。
住宅設備のグレードを落としている
建売住宅は、注文住宅に比べ、キッチンや浴室などに使われる住宅設備のグレードを落としていることがほとんどです。ひとつひとつの設備グレードを落としていくことで、トータルコストを大幅に削減しているのです。
値引き物件が多い
建売住宅は、完成後に販売を始めてから、しばらく売れずに残ってしまった場合、数百万円単位で値下げを実施しているケースがあります。販売後に売れずにいると、固定資産税や維持管理費などの費用が発生してしまうからです。
一般的に販売開始から1年経過して、売れ残っている物件は、今後も売れる見込みが少ないため、大幅値引きが期待できるでしょう。
オプション工事での追加請求がある場合も
建売住宅によっては、販売価格の他に、オプション工事費用を請求される場合があります。オプション工事費用と販売価格を別で請求することで、表面上の価格を安く見せようとしているのです。
予算に上限がある方や予算ギリギリで建売住宅を検討されている方は、オプション工事費用が追加で発生しないか、販売業者に確認しておくと安心でしょう。
まとめ
以上、建売住宅が安い理由について、紹介しました。建売住宅は、まず人件費を抑えることで、コストを削減しています。さらに、規格化された住宅という特徴を活かし、スケールメリットで建築資材、建築用地の費用を抑えています。
その他、固定費削減、設備グレード、値引き物件があることも費用が安い理由です。一方で、業者によっては、表面上の価格のみを安く見せて、後から追加費用を請求されることもあるので注意しましょう。このような例外を除けば、建売住宅は安いから悪いものではなく、安くできる理由がきちんとあるのです。